90's [前編]

■お待たせいたしました。90年代です。

ストーム社にとっての晩年期は非常に「濃い」ため、前半、後半の2回にわたってお送りいたします。

まずは90年代前半です。

ルアーもカラーも既に十分なラインナップですが、90年代に入ると一気に加速していきます。

まず、ワート兄弟の末弟「ピーウィーワート」が登場します。同時期にサンダースティックのディープモデルJrとソルトウォーターモデルが追加されます。

翌々年には「ラトリンスィンフィン」、「フラットワート」、ホッテントットファミリーには「ラトルトット」と唯一のメタル系「ホッテントット・ピグミー」など続々と新モデルが追加されていきます。

中期に入りますとサンダースティックのベビーサイズとサスペンドモデルが追加され、チャグバグがサイレントからラトル入りの「ラトリンチャグバグ」へ変化します。

1サイズのみだったショートワートは「プロシリーズ」として中サイズの1/2ozと大きい5/8ozが追加されました。

追加される物もあれば消えゆく物もあります。90年早々にファッツオーは完全に消え、タビーシリーズも終了、中期には短命ではありましたが、名作と言えるサンダーマックもファミリーからいなくなります。

ルアー以外ではプロモーションアイテムも一新されます。

80年代はバスメインのデザインでしたが、ソルトゲームやフィッシングターゲットの魚種も増え、スチールヘッドやウォールアイなどのキャップやポロシャツ、タオル、ステッカーは2サイズありましたがボート用のビッグサイズも追加されます。ラトリンチャグバグ登場記念でバッジなども販売されました。

続いてカラーを見てみます。

90年始めにはホットタイガーのパープルバージョン「パープルタイガー」や、ど派手な「パロット」「トッティフルッティ」、プリズム系からは「タイガー」「フラミンゴ」などが追加されます。93年はドット系の「ブラウントラウト・スパークス」や「フルーレセントレッド・スパークス」「チャートリュース・スパークス」などが追加されます。

30周年を迎える中頃には実際に湾岸戦争を意識したのかは分かりませんが、「デザートカモ」や「パトリオット」が追加されます。

メタリック系もそれぞれのモデルに一気に追加されます。クレイフィッシュやシャッドなどのプリントカラーや一番めんどくさいカラー名と言われる「メタリック・パープル・イエロー・グリーン・ブルー」や「メタリック・レインボー」グリッター系の「ホットタイガー」、「イエロークラウン」「レッドスクイグル」などが追加されました。

カラーは全てのモデルに共通するものではなく、ワート系のみの物やトット系、マックファミリーのみの物なども存在します。そう言ったモデル限定のカラーもこの時期に沢山追加されました。



90年代に入り、生産数の増加や会社の規模が大きくなるにつれ、ルアーだけではなくボックスやフックなども変化していきます。

正確な年代は不明ですが、ラベルがレッドからブルーに変わったのもこの時期です。フックは長年イーグルクローでしたが90年代中期にはブラウンフックに変わり、メキシコに生産国が移るのもこの時期になります。

ミニカタログも中期以降は残念ながら無くなります。

自分勝手な見方ですが、ストーム社にとってこの辺がピークだったのかもしれません。空前のバスブームも下火になり、バスルアー自体もだんだんと変化していきます。よりリアルなものが主流になり、カラーは手書きで味があった物も工場でどれも同じ正確な物の方が求められていきます。

しかし我が?ストームルアーズはこれから怒涛の快進撃を見せていきます。

後半につづく・・・

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